会長挨拶

Real World Dermatology

第71回日本皮膚科学会西部支部学術大会
会長 佐野 栄紀(高知大学医学部皮膚科学講座 教授)

このたび、わたくしどもは2019年9月7−8日に高知で第71回日本皮膚科学会西部支部学術大会を開催する光栄に浴しました。前回は平成9年、故小玉肇先生が開催されて以来22年ぶりに高知に戻ってきました。今回のテーマは“Real World Dermatology”で、最先端のAI技術による皮膚科診療の革命を目の前にして、我々皮膚科医が生身の人間として、今一度本当の皮膚疾患の実態・本質を見つめ直したい、との意でキャッチなコピーを冠しました。ですので、可能な限り「本物・生身の皮膚科学」を考えて感じていただけるよう、プログラムしております。

特別講演として、英国からはお馴染みの、親日家でもあるMcGrath先生に先天性皮膚疾患と遺伝子ハンティングの最新情報、Lee先生は韓国の皮膚科臨床最前線のお話を賜る予定です。そして大阪大より、遺伝子ビッグデータから疾患実態への新しい地平を切り開きつつある若手旗手、岡田随象先生、最後に我が高知大免疫難病センターで高知大学を火の玉のように牽引されている仲先生には臨床免疫学のreal worldから皮膚免疫科学の根源をご教示いただける予定です。
AIシンポジウムでは診断技術革命の未来像を藤本学先生のおまとめで他科の現状とともに紹介していただきます。また、指針作りが間に合わない程のスピードで発展するメラノーマ治療については、国立がん研究所から前田先生による基礎腫瘍免疫、および日本で中心的な活躍をされている山崎先生に臨床の実相につき、島田先生座長のもとスポンサーシンポジウムでお願いしました。
西部支部の若手研究者の活躍現状を若手偏西風シンポジウムとして室田・下村先生に企画をお願いしました。さらに、3年前の「かたちにこだわる」西部支部会頭であった山元先生にもう一度、病理シンポジウムの親分としてこれまたリアルにこだわっていただく予定です。新しい皮膚科疾患治療法の登場とともに、多くの企業に支えられた(realな意味も含め)セミナーは19本を数え、それぞれのトピックで最新の情報をエキスパートの先生方にお願いする予定です。

お楽しみの懇親会の直前に、我が友であります土佐高出身現在東京芸大4年生チェロ奏者山根風仁氏はご学友とともに弦楽カルテットとして凱旋公演(個人的にはブラームスかシューマンをおねだりしていますが)をしていただきます。文化講演会では高知、土佐高出身で「この命、義に捧ぐ」「死の淵を見た男」「奇跡の歌:戦争と望郷とペギー葉山」など多くのベストセラー作品で有名なノンフィクション作家、門田隆将先生にお願いしております。グローバル世界におけるこれからの日本のお話などを期待しています。

本年度学術大会での一般演題は、たっぷりディスカッションして頂くために、すべて口演・ポスター発表のダブルプレゼンでお願いします。会の成否は先生方の一般演題にかかっております。どうぞ奮って演題提出お願いします。

夏の終わりの疲れがたまる時期ですが、高知は、つきぬける青空と太平洋の波、海の幸、山の幸のお料理でリフレッシュして頂けると思います。パスツールの「科学には国境なく、学者に祖国あり」の名言を胸に、日本の次世代に皮膚科学のreal worldをお伝えできれば幸いです。
一同、こころよりお待ち申し上げます。